2002年5月27日報道機関 御中

高富町長山崎通政治団体関係者告発

      告発人 山県郡高富町西深瀬208  
       寺町知正(職業:高富町議会議員) 
         TEL・FAX 0581-22-4989


 下記の目的で 5月27日午後 二つの政治団体代表である高富町長山崎通のほか、両会の会計責任者ら合計4人にかかる告発状を県警捜査2課に提出します。

         《告発の経過》
 5月1日の高富町長山崎通の逮捕、22日の起訴は、政治資金管理団体「高富経済クラブ」(政治資金規正法第19条1項「候補者は一つの資金管理団体を定めることができる」)を介しての金銭授受に係る容疑です。
 政治資金規正法は、第1条《目的》として、「政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開や政治資金の授受を規正するなどにより、政治活動の公明と公正を確保して民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。」とし、第2条《基本理念》「1 この法律は、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだねる。」「2  政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。」としています。

 町民有志は、かねてより高富町長山崎通の公共事業その他にかかる許されない行為を伝え聞いていましたが、捜査権限がないことから、市民の立場できる調査を進めてきました。 そして、(5年前の町長逮捕が5月8日であったことから)5月連休明けまでに県警が何らかの容疑で捜査を開始しない場合、政治資金規正法違反で不正体質の一端を市民として告発し、司直の直接捜査の端緒としたいと考えていました。

 政治団体は毎年、1月1日から12月31日の間の政治資金の収支報告を翌年3月31日までに選管に報告することが義務づけられ、選管は、政治資金規正法第20条でその要旨を公表することとされ(岐阜県選管は、例年、収支報告締め切り半年後の10月頃に県の広報で公表する習慣)、それ以後は、何人も報告書の閲覧ができる、とされています。

 4月中旬、私たちは、先の3月31日締めきりの直近分(いわゆる平成13年分)の収支報告書の公開を県選管事務局に求めたところ、「過去にも、何度も閲覧の求めが合ったが(秋の公表時期まで)断ってきた」「公開した前例がない」と閲覧を拒否されました。
 しかし、政治資金規正法とは関係なく県の情報公開条例に則って、県民の権利として公開請求しました。 結局、選挙管理委員会の会議での慎重な検討を経て、公開されました。
 このようなやりとりを経て公開された2001年分の「高富経済クラブ」及び「山崎とおる後援会」の収支報告書の全体と、従前より公表済の2000年分及びそれ以前のものを比較検討した結果、罰則をもって禁止される行為がなされていたと判断したので、告発状を県警捜査2課に提出することとしました。

 4月、高富町逮捕の予感が報道関係の皆さんと同様に私たちにも走りました。「告発が捜査妨害にならように」との想いをもちつつ、逮捕事実が何と「高富経済クラブ」がらみであったのでその後も慎重にしていました。起訴後も捜査が続行されているらしき中、現在は政治団体関係は捜査の視野にないと判断したので、本日告発することとしました。

 国では、鈴木宗男氏に係る疑惑の解明が進んでいます。今回の高富町の「子どもげんきハウス」は地元では、3月ごろより高富版「ムネオハウス」とのうわさが出ていました(建物工事費約2億数千万円に対して、専門家は、実際の建物は1億3〜5千万程度の安価なもの、との指摘もあります)。
 今回告発の山崎通関係政治団体の政治資金問題は、まさに、5月24日以来東京地検特捜部が捜査している鈴木関係政治団体のミニ版だと写ります。
 私たちは、「高富経済クラブ」及び「山崎とおる後援会」の会計責任者らが、「政治活動への寄附の実態は知らない」としていること等からすれば、事実上、両団体の代表の政治家山崎通が、自ら操作・融通してイン・マイポケットした可能性が高いとみています(もちろん、政治資金規正法上、会計責任者にも法的責任があります)。

 政治家山崎通の「公私混同」は激しいものがあります。
 「高富経済クラブ」(所在地は「共栄警備」の事務所と同じ)の総会資料添付の会員名簿(1〜140番)の16番目には「宇野敏勝・高富町助役」として明示されています(助役は「高富町建設工事請負業者選定委員長」)。この政治団体の会員にならないと(鉛筆1本の納入まで)高富町と取引できない、との声すらあるほど、「公の立場を利用して業者を囲い込む」という(集金)システムを作り上げていたようです。
 今回の逮捕事件をきっかけに、高富町立富岡公民館の事務室内で、人手や機器も用いて山崎後援会の活動資料作成や事務がされていた、とも伝えられています。
 高富町から自治会長活動補助金、自治会長研修事業補助金、自治振興助成金が交付されて、町の行政の一端に携わる自治会長や自治会連合会長が政治団体の会計責任者に就き政治団体の活動を行うこと等は、今回の事件の背景にある「公私混同」と全く同じ動機です。
 老人クラブやその連合会も同様です。
 政治家山崎通は、選挙では自らを「自治会推薦」するよう多くの自治会に求め、自治会の民主化を逆行させました。
 高富町長山崎は、町の各種審議会などの役員も周辺で固めるように進めてきました。

         《告発の目的》
 @政治資金規正法が国民に判断を委ねた趣旨に従い、政治家の資金管理を問う
 A高富町の今回の事件の底に根深くあるもの、つまり「公益と私益の混同」に始まる「公私混同」をはびこらせ、容認する体質(しかも、これが高富町長山崎によってより深化させられた)を根絶し、高富町政の改革の一助とする
 これらは、政治家山崎通本人の町長職の辞意に関係ないことです。
 よって、この二つの目的で、高富町長山崎本人とともに政治団体役員も併せて告発いたします。                                                    以上