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報告事案がたくさんあるので、
「第一章 この間に確定・決着したこと」
「第二章   まだまだ継続中のこと」
「第三章 これから」
としてまとめます(事務局/寺町知正)

   第一章  この間に確定・決着したこと


 情報誌購読料返還訴訟で文書提出命令!


◆ 県が各種情報誌に購読料や協賛金などを支出していたことで5年間、地裁で争ってきた訴訟で、私たちの求めに応じて、裁判所が03年6月30日に出版物名や出版物社名等を明らかにするように、県に命じました。
 民事訴訟法は「公文書」を命令の対象となる文書として規定していなかったことなどから、裁判において文書提出命令が認められることはごく稀でしたが、01年6月27日に法改正され、状況が変わりました(「《政府提案理由》民事訴訟における証拠収集手続の一層の充実を図るため、公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書に係る文書提出命令について、文書提出義務があるものとする」)。

◆第一次訴訟 情報誌購読料支出金返還請求
97年11月14日、私たちが県に対して、御嵩町長襲撃事件に関係して、情報誌購読の悪影響の問題を提起し、購読や支出の中止を求めました。
 同年12月には、県議会自民クラブの年間300万円の購読料支払が表面化しました。関係文書の公開請求したところ、情報誌30誌の購読料として、95、96年度に県庁内52課で317万5千円を支出していることが判明。
 県は住民訴訟の弁論を前に、98年6月1日、「51出版社に、『購読のあり方を見直す』と文書で通知した(5月21日付け)」ことを公表せざるを得ませんでした(これ以後は購読を凍結していた)。
 第2回目期日では、原告・被告・裁判所の話し合いで、「被告が書面で『今後は購読料を支出しないこと』を明言すれば、原告は訴訟を取下げる」との基本的合意が成立。しかし後日、県から「中止の明言はしない」との回答だったので、訴訟が続きました。
◆第二次訴訟情報誌紙賛助協賛金等返還請求 「県の本庁内の全ての支出」を公開請求したところ、第一次訴訟分よりはるかに多い支出額が明らかになりました。
 しかも、各課の多額の購読料が、「報償費」名目で賛助金、協賛金、助成金などとして堂々と支出され、しかも「1課だけで一社に対して年間70万円」を支払っている例年間支出総額の約3分の1に当たる294万円が特定の一社だけに集中している例など、極めて不自然で癒着した構造が読み取れます。
 提出命令で明らかになった出版物名や支出金の集計結果等から、県の裏金づくりの一つの窓口だったと考えられる「情報誌紙」も明確になりました。

◆ 被告は、個人としての梶原知事と出納長のほか、支出額の多かった課の課長31名。 返還請求額合計は1845万6520円。


  被告らが1千万円返還、との和解成立!


◆出版物提出命令決定と調査嘱託の採用
 8月から9月、私たちは「出版社に対しての出版物の提出命令」や「出版社への県との関係等についての調査嘱託」を申立、10月に裁判所はこれを認めました。
 そこまで来て、ある日、裁判所から和解の可能性の打診がありました。
 県は裁判所から「一部は違法な支出である」との指摘などを受け、私たちは「まだ、数年かかるとの見込み」との中で、双方和解に応じました。

◆03年12月8日 和解成立
(第一次は28回目、第二次は24回目)

 《和解調書の要点》
「被告らは連帯して、04年1月30日までに、岐阜県に1000万円返還する」「今後は、本庁、現地機関含めて、県は購読審査会が必要と認めたもの以外は一切購読しない」



 ※なお、県が現在、良しとしているのは、  「3社のみ」とのことです。

◆全国でも決別を!
 この決着で、自治体職員たちは安心して仕事がしやすくなることでしょう。
 今年夏、日弁連は、行政に圧力をかける出版社等の問題の調査結果を公表しました。県内では、この訴訟で、県が実質的に購読を止め、同年に市長会も止めることを合意。一部の市町村と議員の間では、まだ継続しているようです。あとは自覚と決断!!。

県営北方住宅・補助金情報非公開取消訴訟


◆事業の概要
 公営住宅法や県営住宅条例、県営住宅ガイドは「県営住宅の目的は、住宅困窮者のために低廉な家賃で住宅を供給」「県民生活の安定と福祉の増進を図るため、低廉な家賃で賃貸する住宅」(所得制限は月額20万円以下)とされています。北方住宅の建替は、建築家・磯崎新と梶原拓知事との合意で92年頃から進行。南ブロックが96年着工00年に終了しました(430戸・95億円)。特異な構造と外観が売り物。建築界では、「これでいい」対「公共住宅にこの手法はダメ」と評価が2分しています。
 00年より、第2期工事(620戸・約130億円)が始まり、中北ブロックでは南ブロックをさらに発展させるという理念なので、前回同様に建設費用は高く、逆に住みにくくなる恐れが強く懸念されます。

◆提訴2002年2月4日。被告岐阜県知事
◆非公開情報は、中ブロック再生・活用調査の中間報書中の【生涯学習センターに関する情報】、国庫補助申請書及び同交付決定通知書中の【補助金の申請額、工事費、事業費、料率、数量、単価、根拠、補助額等】です。

◆2月27日の地裁1部判決では、大部分が公開すべきとされ、非公開が是認された情報は《数量、単価の根拠》です。数量や単価を導くための積算根拠です。

◆岐阜県は情報(非)公開の方針
 岐阜県は情報公開の訴訟においては「(他の自治体に関する地裁、高裁はもちろん、最高裁の判決が出されても、岐阜県みずからが)最高裁で負けるまでは争う」という基本姿勢(地裁、高裁の裁判官も、県側からこの方針を聞かされて驚くこと、という情景が最近何度も続いている。しかし、この訴訟においては、県は大部分負けたのに控訴しませんでした(私たちが上告中の東海環状道都計審情報訴訟で、一審で審議会資料の公開について負けた部分を控訴しなかったとき以来です)。

 職員と議員らの懇談飲食費の返還訴訟
  支出の一部は、不当利得として返還命令


◆ 旧高富町の執行部や一般職員、議員、各種委員ら(非常勤職員)が公費で宴会を続けていたことに関して、その経費の返還を求める住民訴訟です。「もうガマンできない高富町民の集まり」と一緒に行ったものです。

◆01年2月9日提訴 被告は町長や議員ら15人。4人の証人尋問を行いました。

◆03年7月24日の地裁1部の判決の要点
A,都市計画審議会委員も財産区委員も、全 員が町の条例で報酬を規定されている非常 勤職員であるが、これらと執行部職員の懇 談について、全額を容認した。
B,総務文教委員会委員・教育委員と執行部 との懇談について、全額を容認した。
C,議会の行事(予算議会、視察)の後の夜 の懇談については、一人5000円以上の  公費負担を違法とした。
D,議会報編集委員の懇談及び監査委員と執 行部の懇談は全額違法とした。
E,「職員倫理規定は特別職にも類推適用さ れる」「議員らについては悪意による不当 利得であると認定する」 とした。

◆私たちの評価
 一部に認められなかったものがあり、また一人5000円以上の飲食費が違法というラインは甘すぎると受け止めますが、具体的な職務との直接の関連性がないものは違法としたことは、評価できます。
 判決後、被告議員らからの求めがあり、議員らが「今後は公費を用いての同種の懇談会は行わない」旨を文書で確約してきたので、控訴せず、地裁判決が確定しました。
 貴重な税金で飲み食いするのは、いい加減に止めて欲しい。

    逮捕拘留中の給与支出は違法!


◆山崎前高富町長は、02年4月28日より連日県警の事情聴取を受け、5月1日、町の公共事業に関しての収賄容疑で逮捕され、5月22日に岐阜地検により起訴されました。6月4日に高富町議会で辞職の承認を得ました。本人は、7月15日の初公判を経て、やっと翌16日に保釈。このように、逮捕された5月1日以降は実質的に職務=公務についていません。
 そこで、町民の有志は、逮捕・拘留中の給与と期末手当の支給をしないように差し止めの住民監査請求をしました。それらもかかわらず、高富町は給与・期末手当を支給しました。町の見解は、「助役が職務を代理しても、町長の身分は有しているから、支給は違法ではない」というもので、国や県など行政関係者の一致した見解。
 これをくつがえした判決が出ました。

◆02年8月22日、「5月分給与77万円、ボーナス34万円を山崎氏個人が返還すべき」と、住民8名が提訴しました。被告は、逮捕された山崎前町長本人のみ。

◆《私たちの違法性の主張》
◎拘留中は「勤務」といえず、職務代理者も 置いたから、給与を支給する根拠がない。
◎拘留も勤務なら、出張の旅費、日当を支給 するはずなのに、町は支給していない。
◎条例は「勤務しないときは、減額した給与 を支給」と規定している。
◎勤務がないから期末手当も支給でず、条例 には不支給及び差止めも決められている。
◎住民の税金を原資とすることからも、社会 通念上も、許されない。


◆03年11月26日判決
 裁判長は、第一回弁論時に、随分調べたがこの種の判例がない、と述べました。そして、和解が勧告され、4回の和解協議の後、最終的に被告が和解を拒否しました。
 判決は、毎月の給与に関して、@拘留中は職務を行っていないから条例の規定からして給与77万円を高富町が支出したことは違法、A被告は不当利得しているから返還すべき、Bボーナスに関しては(給与と比べると)不合理ともいえるが条例の規定上違法とまではいえない、というもの。

◆被告は控訴せず!
 被告側は控訴しませんでした。
 なお、贈収賄刑事事件は、業者側は、指名してもらったことと予定価格を教えてもらったことのお礼であることをすぐに認め、ちょうど1年前に有罪(執行猶予付き)が確定。元町長は、第一回公判で容疑を認めたものの、次回から全面否認に転じ、情状酌量は求めず。検察は教唆がなければ予定価格の99.7%で落札できないことなども示し、求刑は懲役1年6カ月罰金100万円。12月8日に結審し注目の判決は04年2月6日。

◆条例を改正する自治体も!
 福岡県議会は、今回、逮捕拘留中の議員の給与支給を差し止めるよう自ら条例改正。全国の自治体が議員ら非常勤職員と長ら常勤特別職も一般職もすべて、差し止める(嫌疑がはれたら溯って支給する)と、条例改正すればこんな問題はおきません。

逆転/梶原知事への返還命令を取り消し!


 岐阜県が首都機能移転を誘致するために、全国の候補地の中でも異常に多い宣伝費などを使っていたことから、私たちは96年9月11日以降に55人で監査請求、11月28日に原告19名・被告梶原拓として、岐阜地裁に提訴し訴訟について、地裁は99年7月15日に「全面的に棄却」と判決しました。

 控訴に対して、高裁は00年10月6日、《被告梶原拓に「移転推進協議会」の報告書の印刷費164万8千円の返還》を命令。

 県側の上告に対して、最高裁は、「報告書の印刷費は岐阜県の事務である」としてあっさりと逆転判決。普段、法令解釈に厳しい最高裁が、行政追認の判決を出しました。

《ps,最高裁のこと》 あの石の塊の最高裁判所に9月、初めて入りました。中は、もっと石の塊。小法廷にもかかわらず、ホールのように、広く、何と天井の高いこと。
 こうして、権威を見せつけようというのか、と感じました。(寺町知正)


児童・生徒の事故報告書の全面非公開処分


 教育現場では、教師による非違行為(体罰・わいせつ行為など)や児童・生徒の事故について、現状の正確な把握と改善のために事故報告書が従来より作成されています。また教師による体罰問題の把握改善のために体罰報告書も作成されています。
 これらは、主たる原因(者)が教師のものは「体罰報告書」「教師の事故報告書」、主たる原因(者)が子どものものは「生徒の事故報告書」に分類、作成されています。
 しかし保護者や生徒からは、「内容が簡略すぎる」「教師に都合よく書かれ過ぎている」「報告書に基づく教師の処分は軽すぎる」と指摘されています。
 99年8月2日に提訴し、被告は岐阜県教育委員会教育長です。

◆《地裁判決・00年11月16日》
 楽勝と考えていたところ、裁判所は随分とガードが堅かった。地裁は、全面非公開は取り消したものの、「@非行・事故の名称、A発生日時、B発生場所、D管理面」を公開すべきと命じ、「C生徒の所属、氏名、性別、生年月日等、E非行・事故の概要、F事後措置等」は非公開でよいとしました。

◆《控訴審》 肝心な部分が黒塗りでよいとの不当な判決を確定させてはいけないと控訴しました。高裁は、当時、最高裁が「全部が非公開とされた場合、一体の情報を敢えて分離して違法性を判断することは、裁判所にはできない」と大阪府の交際費について判断したことにならい、一審判決を変更し、全面非公開を容認しました。

◆《最高裁第2小法廷(決定書送達)03年11月7日》 名古屋高裁の判断をそのまま容認しました。 多くの自治体が児童生徒の氏名等を除いて公開している実態を無視しています。岐阜県内では、全面非公開とするのは各務原市や大垣市くらいでしょう(両市は他の情報も含めて公開度が低いということ)。
 

    第二章  まだまだ 継続中 のこと


 首都機能移転計画委託契約情報非公開取消訴訟

大部分の公開命令のまま双方 最高裁へ上告
◆ 岐阜県知事に対して公文書の公開を請求したところ、11月18日付けで「地域計画政策課において、首都機能移転誘致事業に関連して、95年度から2000年11月8日までに、計画立案等のために外部委託した契約仕様書、見積書、契約書。上記に関連する物品購入等契約審査会調書及び伺書。」を部分公開とする決定を行いました。
 首都機能移転という国の将来に決定的な影響を与える計画に関して積極的に手を挙げながら、これらの情報を非公開とする姿勢は、岐阜県民としてはもちろん、国民としても大きな不信と疑問をもちます。背信行為ではないか、とまで考えます。
 自治体が様々な新規事業を計画立案するに当たっては、コンサルタント等に委託することがよく見受けられます。企画事業は、将来の方向を示す意味でも重要でその自治体の「横顔」。この委託を、岐阜県は、大部分、入札によらず随意契約しています。

◆提訴2000年11月27日
◆被告・岐阜県知事梶原拓

◆02年9月25日言渡の岐阜地裁の判決は、個人情報の一部を除いて、事業者の見積書、審査議事録、評価結果等すべて公開を命じました。

◆《判決の私たちの評価》 【事業者の評価】は、いわばテストの成績表のようなものですから、これが公開となったのは画期的です。
 【見積書】は、随分と詳細なものもあり、事業者名が公開されれば、「それぞれの事業者の見積単価」が明確になるわけで、自治体に膨大にある全ての契約に影響が及びます。しかも、契約に至らなかった単なる参加業者までも公開対象に含めたのは画期的だと評価しています。愛知県は事業者名を公開し、見積書の記載部分は全面を白でマスキングしています。岐阜県が控訴したので、私たちも附帯控訴しました。

◆《控訴審判決は5月29日》 高裁は、【事業者の評価】について、公開を命じた地裁判決を取り消して非公開とし、他は地裁のとおり、としました。少し公開部分が後退しました。県は上告。大部分勝っていた私たちも、上告しました。

    県議会食糧費・旅費返還訴訟判決

 県議会常任委員会に関して、県議と知事部局部課長、視察時の出先機関所長らとの懇親会などの食糧費支出金、視察旅費、県議への会期中の会議がない日への旅費等の返還の住民訴訟は、丸4年間の審理、23回の期日を経て判決言渡しとなりました。

★毎年5月の所属委員会変更後の議員への事務事業説明会後の懇親会費、★議会委員会の視察における視察先宿所等での懇親会費、★視察における県事務所等での昼食代や茶菓代、★事務事業説明会に出席した県議への費用弁償、★閉会中開催の委員会の会議への費用弁償、★委員会視察の視察旅費、★会期中非会議日登庁議員への費用弁償

◆98年7月17日提訴、★被告 個人としての県職員19名 (知事・県議会事務局次長・出先機関所長13名、97年県議会正副議長・議会運営委員長ら県議4人)、★被告参加人:岐阜県知事梶原拓、★返還請求額は、食糧費770万8119円、旅費1715万4004円の合計2486万2123円。

◆《地裁判決 03年2月27日》
@酒食を伴う夜の懇談会費のうち一人一食当 たり8000円を超える分の支出(合計2 11万4968円)は違法
A視察と関連のない昼食費(一人一食当10 00円程度)の支出は違法
B @分につき梶原拓らに提訴から年5分の 利息を付けて返還することを命令
  A分は支出の決済をした者が被告になっ ていないから棄却
Cその余の請求は棄却

  被告らはとりあえず地裁敗訴分を返還!

◆控訴審の第一回の期日に、「判決命令額に利息を加算して、梶原拓氏(96万6564円)を筆頭とする職員13名が合計262万3140円を県に弁済した」ということが明らかにされました。住民側は、支出の全額が違法、との主張ですから、訴訟は継続します。控訴審は、検討したいところがあるので時間を欲しいと、判決を先の04年3月9日に指定。なお、県や議会はこの請求以後は、議会の宴会はずっとやめています。

 県議会会期中の「会議がない日」にまで
  支給した旅費の返還を求める訴訟の判決


 岐阜県議会は、会期中、議員が登庁した場合は毎日、議員が「自宅から県庁まで登庁した」ものとして、旅費(費用弁償)が支給されています。その実態は、会期中の本会議や委員会の会議のない日にも、「議会棟に来た」という登庁報告届が出されれば、旅費を支給しています。しかも、95年までは、何と、会期中は県庁に登庁しなくても、全ての日の分を支給していた、と県が認めています。
 旧自治省が、「法律上議員の公務といえるのは『本会議と委員会だけ』だから、正式な会議がなければ費用弁償はできない」と指導してきた経緯があり、全国の市町村ではこのようなルーズな例はほとんど聞きません。
 もともと、どの県議にも一人当たり、年間を通じて、執務や会議の有無に関係なく、報酬及び期末手当として約1450万円、県政調査費として約400万円が支給されており、さらに、会議がない日にまで旅費を支給することは、納税者からみても、また社会通念上も、決して受け入れられません。

◆00年7月17日と01年8月17日提訴◆被告:知事個人・議会事務局次長ら個人 ◆参加人:岐阜県知事梶原拓

◆《地裁判決言渡03年2月26日》 地方自治法で「費用弁償の額と方法は、費用弁償は条例で定める」とされているところ、会議がない日の支給が岐阜県の条例規定である「議会及び委員会の招集に応じたとき」に合致するか、が最終的な争点です。
 判決は、会議がない日であっても議員の職務であるから良いと現状を追認しました。

◆私たちの控訴に対して、8月20日、高裁民事3部は、地裁同様の判示をしたので、私たちは最高裁に上告しました。

    岐阜市長選挙違反に関する文書


◆岐阜市における現市長当選のためにした市職員の違法な選挙運動に関して、市長は、独自に職員からの聞き取り調査を行い、違反に関わりの深い者82人を処分しました。
岐阜市内外住民112名の「市長選挙違反に関しての調査において作成取得した文書等」の公開請求に対して、市長は非公開決定。
 01年11月26日、原告32名で提訴しまた。この文書の公開で、事件の職員関与の具体的な核心部分が明らかになります。

◆《地裁判決》 ★@調査票について、「氏名、職名、所属」は公務に関する情報だからもしくはそれに類するから、公開を拒めない。他方、調査票の聞き取りの内容の記録は、将来の同種の職員聞取事務が適切に行えなくなる可能性があるから非公開を是認。
 ★A処分の通知書類について、「氏名、職名、所属」は公務に関する情報もしくはそれに類するから、公開を拒めない。相手方団体名は公開しても支障はない。

◆《私たちの判決の評価》職員の不正調査等に関する判例は非公開傾向が強い中で、地裁判決は、踏み込んだ前向きなものです。

◆《双方控訴した8月27日の高裁判決》
 ★@調査票は、将来の同種の職員聞取事務が適切に行えなくなる可能性があるから全面非公開を是認する。 ★A処分の通知書類は、処分を受けたことは公務とは言えないから「氏名、職名、所属」の非公開を是認する。相手方団体名の公開は支障はなし。
 自治体の職員倫理の確立や市民への説明責任を無視したあまりに古風な判決で、迷わず上告しました。なお、違反職員の給与4400万円返還の住民訴訟は地裁で係争中。


  知事懇談会情報非公開取消


 知事と県議らの宴会情報は全面公開!
◆私たちは、知事が直接主催して税金で県議会議員と宴会を行っていたことを知り、関係文書の公開請求したところ(01年3月28日)、知事は「経費名、出席者の来客者名及び県側の知事を除く職名、出席者名」を個人情報として、「債権者(宴会場)に関する情報」を法人事業者情報に該当するとして非公開としました。
◆02年11月20日提訴 被告岐阜県知事

◆03年7月24日地裁判決は全面公開命令

◆12月16日に高裁で結審しました。
 この場で、県側は、「別件の事件における04年1月16日の県に対する最高裁判決で県の敗訴が確定すれば、この訴訟を取り下げる可能性もある」ことを明らかにしました。裁判長は、判決を書かないことはありがたい、とうなづき、判決言い渡しは、県の検討期間を見込んで、04年2月26日と指定。


  納税貯蓄組合連合会補助金返還訴訟判決


 納税に関して、最近は、口座振替納税の普及、プライバシー保護、納付通知書や領収書の個人への直接送付の実施等から、納税貯蓄組合補助制度を廃止する自治体がほとんどです。この納税貯蓄組合の上部団体が納税貯蓄組合連合会です。
 連合会傘下に、単位の組合はなくなっているのに、連合会によっては古い組合名簿を出していかにも組合育成を行っているかのようにしています。虚偽報告や不要な活動を前提に、補助金を交付したことは許されません。 なお、自動車販売業界連合会は、96年からは、当補助金を辞退しました。
 私たちは、岐阜県が95〜99年度、県内納税貯蓄連合会9団体に合計917万円の補助金を交付したのは違法な支出として、00年5月15日、県に監査請求しました。
県は、私たちの住民監査請求を受け、とりあえず、00年9月議会で、当年の補助金につき、@補助金を廃止し、A名目を役務費「広報広告料」と変更し、B予算の173万円を143万円に減額して支出しました。
 納税貯蓄組合連合会の補助金については判例がありませんし、補助金は、全国的に行われているようですので、きちっと整理することがなおさら、必要です。
 連合会の連絡先が税務署におかれていた例に象徴的ですが、この問題の深刻さは、法を所管する立場の税務署主導の運営となっていることにもあります。

◆提訴 2000年8月11日 ◆被告 納税貯蓄組合連合会や知事ら職員個人30名

◆《地裁判決03年3月27日》 地裁は訴えを、まったく認めませんでした。

◆《控訴審》 5回目の期日である次回2月17日に「組合名簿の提出命令」や「市町村への調査嘱託」についての判断が出されます。 控訴審では、名古屋高裁まで、毎回、納貯連関係者や税務署関係者らが傍聴に来ています。彼らにとっては、それ程重要?!

     県職員互助会自販機電気代問題


 03年3月10日に、第二次の互助会設置自販機電気代不当利得返還の住民監査請求を行い、却下・棄却されたので、5月27日に住民訴訟を起こしました。
 (財)岐阜県職員互助会(理事長は副知事)は、業務の一部として、岐阜県本庁舎及びシンクタンク庁舎、その他10ケ所の県総合庁舎で約30数台の自販機を設置していますが、この自販機電気代を支払っていません。
 民間業者とまったく同じ業務に関して、互助会だけを特別に優遇することは、「県のトップや県行政」と「県職員」との癒着といわれても仕方ありません。
 なお、この件は、01年3月8日に岐阜地裁に提訴し、現在も継続している事件の第二次分です。第一次訴訟の弁論で論点整理がされていく中で、「電気代が納められていないこと(不徴収)の違法性」「訴訟で原告が求めた観点での損害の有無」が見えてきたようです。 今後の経過がどうなるか、注目してください。

     第三章  これから

   住基ネット問題


 住基ネットの個人コードについて、「県の個人情報保護条例に基づいて本人の住基ネット情報の削除請求をしよう」との県民ネットの呼びかけに呼応した県民は、02年10月16日に知事に請求しました。県は、11月8日付けで「当該訂正の請求は条例に基づく請求とは認められません」としました。しかしこれは、条例解釈を誤ったものです。
 当初の削除請求を審査しなかったことは到底納得できないので、6月5日に岐阜地裁に提訴しました。
 住基ネットについて、長野県が侵入実験を行ったところ、国全体のシステムに侵入し個人データを書き換えることもできる状態だった、としています。個人情報保護の重要性がより強く認識されている昨今です。
 今回の岐阜県のように、自治体側が削除申請を受理すらしなかった例(却下、棄却以前の話)は、全国聞きいたことがありません。 12月10日に結審し、判決は2月25日。

徳山ダム事業費増額問題での住民監査請求


 徳山ダムは、利水や治水、発電を目的にした多目的ダムで、藤橋村(旧徳山村)で、2000年に本体工事が始まり、07年度に完成が予定されています。
 1985年に算定された総事業費は約2540億円ですが、事業者(水資源機構)が今年8月、物価の変化などを理由に約4割の1010億円の増額を発表。機構は現在、東海3県と名古屋市に追加負担に応じるよう要請。岐阜県は20,4%の206億円、愛知県は8,2%の83億円、名古屋市は7,3%の74億円。岐阜県は同意を表し、名古屋市は最近、否定的な意見をす表しています。
 水の需要が同機構の予測よりも伸び悩んでいます。もはやダムの開発は不要で、これ以上の負担増は許されません。
 増額には、法律で、県や市が費用負担に同意することが必要。そこで、この増額分の支出をしないように、監査請求したものです。
 今回は、徳山問題に取り組んでいた市民グループとともに、オンブズ活動に取り組んでいたグループも共同し、10月17日、2県1市で同日に監査委員事務局へ書類を提出しました。しかし、監査委員は、支出が確実とはなっていないとして、あっさりと門前払。

        岐阜県史問題


 岐阜県史から「御嵩町産廃」問題の記述を削除したことは、県の岐阜県及び県民の歴史を故意に歪曲しようとするもので、大きな批判を浴びています。
 水の需要が同機構の予測よりも伸び悩んでいます。もはやダムの開発は不要で、これ以上の負担増は許されません。
 増額には、法律で、県や市が費用負担に同意することが必要。そこで、この増額分の支出をしないように、監査請求したものです。
 今回は、徳山問題に取り組んでいた市民グループとともに、オンブズ活動に取り組んでいたグループも共同し、10月17日、2県1市で同日に監査委員事務局へ書類を提出しました。しかし、監査委員は、支出が確実とはなっていないとして、あっさりと門前払。