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《第1次訴訟 平成10年(行ウ)4号 情報誌購読料支出金返還請求事件》
《第2次訴訟 平成10年(行ウ)18号 情報誌紙賛助協賛金等返還請求事件》
岐阜地裁民事2部御中
03年10月22日 原告選定当事者 寺町知正
TEL・FAX 0581−22−4989
訴訟の和解の可否について
標記事件に関して、和解の打診について、原告らの協議の結果として、下記をご連絡いたします。
基本は、下記(1,4,5,7)要件が満たされるなら、和解の選択をする、というものです。
1, 住民監査請求の期間徒過の問題については、本件支出の適否の判断が個別情報誌紙の特定と不可分の関係にあるところ、情報公開では非公開とされ続け、提出命令で初めて誌紙の特定に至ったものです。これら事情からは、原告が住民監査請求をすることに1年を経過したことには、正当理由があるというべきです。 よって、本件対象の支出の全額が和解の対象となるものと考えます。
2, 何も発行していない「社」に対しても支出している、との内部指摘が当初からありました。提出命令の認容によって、今回33社の名前がで集計できましたが、県は当初から30社と発表していますから、少なくても、この差の「3社」は架空で裏金づくりの道具だった、と考えます(調査嘱託や提命で明らかとなろう)。
3, 原告が提訴時に整理して作成した資料(甲第42号証)におけるA社(提出命令に基づいて提出された領収書等から「岐阜政治経済新聞社」といえる)は、平成7年度にはどの課も支出しておらず、平成8年度において知事の秘書課だけがまず6万円支出し(この当時の秘書課長被告長屋栄氏(現部長)は「知事の裏選挙対の中枢とされていた」(資料−B)、平成9年度は一気にほぼ全ての課が支出し、しかも、その額も請求書一枚で数万円から数十万円(例:18号事件甲第9号証の請求書の場合は、土木部監理課分であって(甲第44号証の10の平成9年度分の「岐阜政治経済新聞社」欄)平成9年10月及び平成10年3月に各一筆でそれぞれ32万円)と、異常であり、平成9年度の岐阜県の本件情報誌紙への支出額の1/3(約300万円)を占めているものです。
このことは、「岐阜政治経済新聞社」への支出について、県の表向きの誌紙代の支出窓口である広報課分(下記Aパターン)に「岐阜政治経済新聞社」への支出がなく(甲第42号証の表の広報課分が0円であること)、Bパターンの場合の支出だけであることからも窺えます。
また、当時、社会的世論が役所におけるウラ金づくりが問題になり始め、三重県では役所の庶務担当職員が主としてこの任を担って各種慣行的におこなわれる実態が暴露されていたこと(本件支出・情報誌紙との関係はいずれも庶務職員が担当している)、三重、愛知両県では土木部監理課(監理課とは土木部の総務的な部署)におけるウラ金が最も著しいことが明らかになっていたこと等からも、本件情報誌紙支出という名目のうち、「岐阜政治経済新聞社」に関しては、ウラ金づくりとしての岐阜県独自の手法の一つであったことが強く窺えます。
4, 争点の出版物に関して、「各課に1部」である分について考えると、どこまでが良くて、どこからはだめ、というその線引きの判断がかなり大変で時間がかかるだろう、との指摘はうなづけます。
和解だから概括的判断で、との観点からすると、課に1部に対する支出のうち、不要な出版物の特定が大変だから、「半分の出版物は不適、半分は良しとする」ということで、各課1部に対する支出の総合計額の1/2額は返還。
5,同一出版物について各課に1部はともかく2部以上は明らかに不要だから、同一課で2部以上に該当する支出金は全額を返還。
6, 本件支出には、2つのパターンがある。
《Aパターン》 広報課が各課分を取りまとめ、形式的に支出は各課が決済する。どの年も、支出の単位を基本的に5000円(ごく一部は、4000円や3000円もある)としたもの。
一社で10000円とか数万円の場合は、これが複数あるということ。
平成7〜9年度の広報課が取りまとめて各課が支出した「購読料」である。
《Bパターン》 広報課を含めて、秘書課を筆頭に各課が独自に決済する。平成7、8年度は、報償費であって、請求書や領収書(支出側にも)一部幾ら、との概念がない。平成9年度は、統一方針に基づいて「購読料」として支出された。
《当該出版物の単価の認識の仕方》
18号事件は、平成7、8、9年度のBパターン分(支出額は3年分で約1550万円)と平成7年度のAパターン分(支出額は1年分で約145万円)を争っている。
Aパターンの基本単位5000円を情報誌紙の基本単価とする、全ての計算がシンプルとなる。
しかし、Bパターンのうち平成9年度の単価は、Aパターンの場合と全く異なる額が個別に明示されている(平成9年度の秘書課についての資料−@)。
しかも、Bパターンのうち平成7、8年度の支出回数は多様で、その合計額もバラバラである(平成7年度の秘書課についての資料−A)。
各課1部のときの1部をABのどちらおくか、即ち、額を幾らとするか、さらに、他は全てだめとするのが「各課1部」の基本である。
4号事件は、平成8、9年度のAパターンで(支出額は2年分で約320万円)、この基本単位5000円を情報誌紙の基本単価を誌紙代1部の代金と認定すると、18号事件との整合性が保てるか、の問題がある。
ただし、原告は、和解という大局的なことであるなら、「各課1部に対する支出の総合計額の1/2額は返還」「同一課で2部以上に該当する支出金は全額を返還」を前提にすれば、基本単価の設定をAパターンの5000円にするか、Bパターンの各情報誌紙毎に設定するかは、あるいは幾らにするのか、にはこだわりません。
7, 今後については、本件及び同種の情報誌紙に関して、本庁も出先機関・現地期間も含めて、岐阜県は一切購読しないとの表明を和解条項に入れること。
8, 本件事案の特殊性
本件は長年継続した関係が癒着があり、関係を断絶せずに支出されてきたもので、反社会的というべきで、社会通念上も許されません。
原告の寺町及び三輪に関して、誹謗中傷のチラシをまかれたりしています(例:高富町役場の各課課長及び係長の一人ずつの机の上に某氏の発行人が置いていったチラシ(資料−C):町職員が届けてくれたもの)で、ある程度は高富町内もばらまかれた)。
脅迫意図の同一文が、原告の寺町及び三輪に郵送されています(資料−D)。 自治体議員としての地元自治体での活動への妨害を懸念して会員を離脱した者(原昌男:本件原告は継続している)もいます。
高富郵便局消印で県内のあちこちの自治体関係者や議員らに寺町らを名指した脅迫文書が配布された(資料−CDとは異なる)ことで、県警高富署は、捜査したが特定に至りませんでした(署担当者からの話)。
現在でも、県警が警備用モニターセットを取り付けています(寺町の家の前の公道から敷地内への上がり口にモニターカメラを付け、自宅内のTVに映像が写り、VTRで常時自動録画するセット)。
慰謝料を請求したいほどの気持ちです。
細かいこともかく、県(県職員)が県民の税金を用いて癒着を継続し、本件のように問題となって後も、敢然とした姿勢をとらないこと等(例:知事が、本庁は止められても、出先機関までは無理と述べた、等)、住民訴訟を越えた問題をはらんでいます。
原告は、本件は、他の事案(住民訴訟等)の個別問題とは、著しく性質を異とするものであると認識しています。その覚悟をもって臨んできました。和解についても、この観点は揺るぎません。
9,以上、標記両事件に係る和解の可能性についての原告の考えをお伝えします。 以 上