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質問番号2問目                   寺町知正 2005.9.22 

 市の一般ゴミの処理計画の検証と今後の進め方について


 市民生活からでるゴミ、いわゆる一般ゴミの処理について質問する。
 市のゴミ処理は、国の環境基準等の強化にともなって、岐阜市に処理を委託する協定を結び、3年前から岐阜市の掛洞のごみ処理プラントに搬入している。この期限が2010年(H22年)3月まで、とされている。
 市は岐阜市がその期限までしか受け入れてくれないので、山県市がどこかに単独で建設するしかないとしている。そこで、現在の粗大ごみ等処理施設のある地元に了解を得て建設したい、と説明に入っている。
 私たち議員側も、将来、岐阜市との共同が駄目なら、単独止むなしと理解してきた。
 ところで、私のところにはいろんな方から話が来る。それらから、私は、市にとって最善の道を選択するために、経過を整理する必要があると考えて、市の資料も調べながら質問する。

◆《問・寺町》 委託事業について
 2003年(H15年)7月に、市のごみ処理の方向性を検討し、ごみ処理施設整備基本構想策定のための委託業務が発注された。この委託経費の額と相手方はどちらか。
《答弁・市民部長》 市のごみ処理の方向性を検討した、「ごみ処理施設整備基本構想策定業務」の委託経費につきましては、2,362,500円で、名古屋市の株式会社・環境工学コンサルタント中部支社に委託を行いました。

◆《問・寺町》 各ケースの比較について
 同年12月にその報告書(一般廃棄物処理施設整備計画策定委託業務報告書)がまとまった。
 この中では、@山県市単独で既存の施設内に建設、A山県市が単独で市内の新たな敷地に建設、B岐阜市と広域処理し新らしい敷地で建設、という想定パターンのそれぞれについて、山県市負担分について試算結果が出されている(単位=百万円)。
 しかも、用地費も含まれている。 
 山県市の既設施設内に建設の場合、23億円から31億円かかる。
 山県市の新たな敷地に建設の場合、32億円から43億円かかる。
 岐阜市と広域処理・新敷地の場合は20億円、と出ている。
 この報告書の「総合評価」の結論においても、岐阜市と広域処理が「長期的な視点においてもっとも優れている」とされている。
 このように、岐阜市と広域処理した場合、約20億円の経費で済むと試算が出ている。

 それにもかかわらず、敢えて、約23億円から31億円も経費を要するとみられる市の既設施設内に単独で建設することを選択したのは、あまりに経済的にマイナスではないか。どう説明するのか。

《答弁・市民部長》 平成15年度に行った「ごみ処理施設整備基本構想」の総合評価の中では、岐阜市との広域処理が「長期的な視点において最も優れている」となっている。しかし、この中で、「工期の面で現実性に欠け、用地確保の面でも大きな課題がある」と条件がつけられている。広域処理では処理規模が大きくなり、用地の候補地が無い現状では、候補地の選定から地元同意という難題があり、平成22年3月までに施設整備の目途が立たないという、大きな問題が生じ、平成22年4月以降のごみ処理に非常に不安を覚えることになる。
 一方、現在地であるクリーンセンターでの施設整備については、総合評価は、「やや費用がかかるが長期的な視点に立った場合、比較的優れている」となっている。現在地であるクリーンセンターで施設整備を行うのに最も重要である地元同意の点については、既存の施設が存在していることから、引き続きご理解が得られるものと考えている。また、工期的にも平成22年4月以降の山県市のごみ処理事業のリスクが回避される。
 市の施設整備について課せられている要件は、ごみ処理において、毎日排出されるごみを滞りなく円滑に処理しなければならないが、平成22年4月以降のごみ処理が担保されていないために、手当てを遅らせることの無いよう最善を尽くすことが求められている。
 このような観点から、経済的なことも重要な課題であると思うが、現時点での最善な方法を判断すると、既存施設内での建設が最も良いものと考える。

◆《問・寺町》 議会への説明について
 市は、市議会に、協定期限後は岐阜市は受け入れてくれないと説明してきたと受け止めている。
 そう説明した時期とその伝えた内容及び伝え方はどのようだったか。
《答弁・市民部長》 「岐阜市との間のごみ焼却処理の事務委託に関する規約」を制定する議決が必要であるため、その提案説明の中で、この規約は、平成22年3月末で失効することの説明を合併前の各町村議会で行った。市議会への説明時期については、平成15年12月2日に開催された全員協議会において、各ケースの比較を説明させていただいた上で、市単独で、ごみ処理施設を現在地であるクリーンセンターに建設することを説明し、了解をいただいた。また、平成17年4月26日開催の環境保全対策特別委員会においても、市長より、市単独で現在地に建設する旨の説明し、承認をいただいた。

◆《問・寺町》 岐阜市からの働きかけと山県市の対応について
 期限後のことに関して、岐阜市から一緒にやろうと表明や働きかけがあったか、どうか。 あるなら、誰がいつどのようにして働きかけてきたか。その内容はどのようか。
 それに対して山県市の回答、時期等その詳細はどのようか。そのように回答した理由は何か。

《答弁・市民部長》 正式な働きかけはなかったが、担当者レベルでの打診はあった。その時点では、市単独で建設を行うことを決定していた。

◆《再質問・寺町》 コンサルタントの報告では、建設経費は岐阜市と組むのが一番安いことは述べた。では、次に、動き出してからの維持費のことが次の課題となる。
 私は、5月依頼、担当の部課長と話し合ったり、資料を頂いたりしてきた。そこで確認する。
 高富、伊自良、美山地区の可燃ごみについて、最近の場合、おおよそ、年間5350万円ほどの委託料が必要であることを前提にして、概略でいいから、現在の岐阜市の掛洞まで運ぶための経費、現在計画手いる美山・谷合まで運ぶ経費を試算した結果の説明を求める。

《答弁・市民部長》 経費の比較については、算出根拠となる平成16年度に市内から搬出された可燃ごみに対する実績の数値、及び高富、伊自良、美山地域のそれぞれから搬出された可燃ごみの量について、平成14年度の実績の数値の比率を出し、平成16年度の数値に置き直し、基点を山県市役所、伊自良支所、美山支所に仮定し、収集運搬の経費に関わる所要時間、労力、運搬距離から算出した。
 収集については、経費に変動がない。
 しかし、運搬については、掛洞プラントより山県市クリーンセンターに搬入する距離が遠くなる地域もあるので、年間1,392,470円増加となる。率では10パーセントの上昇となる。
 また、1トン当たりの収集運搬委託料は12,600円が327円増加し、12,927円となり、2.6パーセントの上昇が見込まれる。

◆《問・寺町》 答弁では、今年H17年4月の議会の特別委員会で説明し承認を得た、という。私もそこにいたが、そのとき、岐阜市との比較データがあることも、その金額のことも説明聞かなかった。協定がきれるのたから、その後は岐阜市と一緒に組む可能性はないと受け止めるしかない説明だった。
 昨年H16年夏以降、例えば、H16年9月の私の一般質問の関連でも、選択肢は今進めている美山以外にないという説明だった。
 答弁の15年12月、私は当事は議員でなかったので知らないが、今の答弁では、そもそも一昨年H15年12月の議会全員協議会で説明したという。初めて知った。
 議会全員協議会での場で、先に私がのべたコンサルタントの比較の「金額の具体的な数字」も説明したのか。
《答弁・市民部長》 「金額の具体的な数字」の説明については、平成15年12月2日の全員協議会で資料を配付し、各6ケースの説明の中で概算事業費を申し上げた。

◆《問・寺町》 H22年以降の岐阜市との可能性についてはどう説明したのか。
《答弁・市民部長》 平成22年以降の岐阜市との可能性については、触れなかった。

◆《問・寺町》 そのときの議員らの反応はどうだったのか。
《答弁・市民部長》 議員の皆さんの反応につきましては、山県市単独の方針に、異存が無かった。

◆《問・寺町》 その説明、あるいは山県市が単独でいくと決めるその前に、岐阜市との可能性をさぐるべきではなかったのか。
《答弁・市民部長》 その前に岐阜市との可能性について、市は、今後の判断材料として、一般廃棄物処理施設整備計画策定報告書を参考に市の関係者等の意見を聞き、方向性を見い出していきたいことから、広域との可能性は、探らなかった。
 
◆《問・寺町》 岐阜市と組んだ場合の建設経費が約20億円は変わらないとして、単独で行く場合の、約23億円から31億円、この数字について、現在は金額はもっと具体的に絞りこまれたのか。
《答弁・市民部長》 ごみ処理施設の建設経費については、一般廃棄物処理施設整備計画策定報告書以来、具体的な数字は算出していない。


◆《再々質問・寺町》
 最終決断したのとは市長だということで、市長に問う。
 先ほどは、現在進めている美山、それから掛洞とと比べると、運搬費が美山は10%高い、という数字がでてきた。
 ところで、コンサルタントの報告書では、岐阜市との広域処理の場合の試算は「山県市内に新たな敷地で建設」という設定でだされている。
 山県市内で新たな場所で建設という場所について、ある関係者に聞いたところ、現在の岐阜市掛洞とこの山県市との間に一定のイメージできると聞いた。
 
 そこで、私は、先日、その場所を前提にして、車で走ってみて実際の距離を測り、先ほどの答弁と同じようにして運搬費を試算してみた。
 もちろん、この市役所から西の方に行ったら距離が近すぎますの、旧高富町役場、現在のテレビ局があるところから計算した。
 そうすると、美山の現在の予定地へ運ぶ場合と、報告書の試算である岐阜市と組んで山県市内に作る場合の実際の本当の比較ができる。
 運搬経費というのは、先程の掛洞と美山の比較では、美山が年間139万円の10%高、美山が高いということだった。
 が、報告書に従って、山県市内の新しい土地で計算すると、美山に運んだ場合、年間975万円の70%高になる。どこに処理ポイントを置くかによって違う。
 10年間操業すれば、岐阜市と組んだ場合と比べて約1億の運搬費用が増える。
 処理費は変わらない。そういう試算も出てくる。

 そこで、市長に4つ質問する。
◆《問・寺町》 新しいところと美山を比べると、美山に運ぶ場合の維持費が、年間約1000万円、70%高いということをどう考えるか。
《答弁・市長》 いろいろ運搬経費、確かに現在、山県市で計画しているところの距離はある。そう言った点で、そういった経費的な問題、いろいろな試算もあるだろう、そういう差はあるだろう、それは思っている。

◆《問・寺町》 市が委託して報告された建設費の比較の金額は、H15年12月の全員協議会当事承知していたかどうか。
《答弁・市長》 全体の予算、建設費の試算もいろいろ仕方があると思っている。 

◆《問・寺町》 岐阜市の環境事業部長は、先の9月議会の岐阜市本会議で、山県市とのごみ処理に関して、「確認の話し合いをする中で、一つの考えとして岐阜市から打診した」とはっきり答弁している。
 この打診の時期については、ある議員に尋ねてもらったところ、この時期は「今年の春」だいう。
 岐阜市は山県に対してモーションをおこしているのに、山県は何もしないばかりか、拒否している。岐阜市が、出来るならば山県と一緒にやりたい、と思っていることについて、あなたは認識しているか、いないか。


◆《問・寺町》 部長の答弁を整理すれば、2年前それまでには、岐阜市と一度も協議をせずに、単独でいくことを決めた。その背景には、市内で予定されていたゴミ処理計画・地球環境村構想があったとは想像する。しかし、一年前、昨年6月には地球環境村構想も白紙になったことは、市長もこの議場で答えた。
 今は、全く事情が変わった。
 さらに、岐阜市からも、一緒にやろうとのモーションも来ている。
 だから、今、市が美山地区で進めている話し合い、これも予算は具体的には予算もついていない。アセスも来年から、という予定である。だから今の段階は、まだ、十分に修正も可能な状況であると認識する。
 どうも、岐阜市は、山県との話が成立するなら、H22年の期限を延ばしてでも協議をしたいとの意向もあるとも伝わってきている。
 これらを考えれば、ここで元にもどって、3つの試算データや先ほど示した運搬費用も考慮し、とりあえず岐阜市との協議もやってみて、そこの可能性を探る、その上で最終結論を結論を出すべきではないのか。私はいろんな資料をみて、今やっとこういう考えに至りました。
 この中では、岐阜市と協議をしていないということも、全く知らなかった。非常に憤りも持っている。
 それが、市の将来のために、必要な時期かと思って質問する。

◆《答弁・市長》
 そういったことで、岐阜市と提携していといいというのは分からんでもない。ただし、これは、平成22年3月までの契約だ。それ以後出来なかった場合には重大な問題になる。そういうことで、確かに現在は、岐阜市の掛洞にお願いしてそこで処理していただいている。岐阜市の対応について、私が、現在お願いしている段階で、岐阜市のことについて深くそういうことについて申し述べるのは差し控えたい。
 ただ、私に対しての岐阜市からの打診はない。
 担当レベルでの話があったように聞いている。その段階で、例えば、候補地という処理場の用地というのを山県市に求める、という話も聞きました。そんなことになれば、岐阜市のような40万都市と3万都市の山県市で、また大きなゴミを山県市に運んで来るのではないか、ということになれば、寺町議員もおっしゃった地球環境村の例もある。そういった、用地問題は大変紛糾していくだろう、そういった中で、平成22年という限度がある中で、それを対応しきれん、ということであるので、それでは市政を預かる市長としては到底対応できん、そういうことで、いろんな岐阜市のことについてことさらこの席で申しにくいという面がある。

  現在は掛洞にお願いしている段階、そういうことでその点を踏んで申し述べるが、山県市のゴミは山県市で処理するという基本方針は、既に平成15年12月、あるいは今年4月、そう言った段階でも私は披瀝していいるとおり。
 岐阜市と提携して、いい面もたくさんあるだろうが、ただ、経費だけが安いということでそれを処理できるとは私は思っていない。
 平成22年3月というのは、非常に長そうに見えるが、期間は非常に短いわけだ。
 今、いろいろ準備をしているが、そういった面で的確にとらえて、例えば最小の経費でするのがもちろんだが、そう言った面も十分に精査しながら進めて参りたい。
 その辺を十分にご理解を賜りたい。

《問・寺町》 市長とは思えないような答弁で残念だ。
もうこれは、今しかない。片方、美山で話していることはいいとして(議長の「次の質問にして下さい」の声)、岐阜市と早急に検討していただきたい。これは、明らかです。

以上