第一回期日  九九年五月二七日(木)一〇時〜
                                      

 平成一一年(行ウ)第五号 東海環状道関連情報非公開取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名
                   被  告  岐阜県知事  梶原拓

準備書面(一)


            原告選定当事者 寺 町 知 正   
                       別 処 雅 樹 

  (連絡先) 岐阜県山県郡高富町西深瀬二〇八番地の一
         TEL・FAX 0581−22−4989
一九九九年五月二六日
岐阜地方裁判所 民事一部 御中

   頭書事件につき、次のように述べる。

第一 
 一 訴状第一の「本件条例」は「岐阜県情報公開条例」である。
 二 被告答弁書・請求に対する答弁・四の2の求釈明に関して、『審議会協議会に提出された』と記載部分は、原告の誤記であり、訴状の記載を『審議会に提出された』と改める。

第二 意見書の情報の個人識別情報(岐阜県条例第六条第一号)該当性
 一 本件意見書は法定(都市計画法)の文書であり、明確に公的文書としての認識のもとに自らの意志で記載された情報は、私的な領域の問題とはいえず、プライバシーに関係のないものとして、所定の情報に当たらない。
 二 この数年来、公文書非公開取消訴訟では、取消事例が相次ぎ、長の裁量が比較的許容されているとみられる交際費でさえ、同様の傾向である。以下に判例を示す。
  1 公文書非公開決定処分取消請求事件(平成九年三月二五日、大阪地裁判決)は、大阪市の食糧費支出に係る支出決議書、支出命令書及び歳出予算差引簿に記載された会議等の相手方の氏名、所属する団体名及び役職名につき、六条二号(個人識別情報)規定は、プライバシーを保護する趣旨の規定であるから、個人に関する情報であってもプライバシーに関係しないことが明らかな情報については非公開とすることは許されないとした上、会議等の相手方の氏名は、それ自体個人を識別する情報ではあるが、相手方が個人としての資格を離れて、公務又はその所属する団体の職務として行った行為についての情報は、私的な領域の問題とはいえず、プライバシーに関係のないものとして所定の情報に当たらないところ、前記各文書に氏名を記載された公務員等は公務又はその所属する団体の職務として出席したものであるから、これらの者の氏名は同号所定の情報に当たらず、また、相手方が所属する団体名及び役職名は、それ自体は所定の情報には当たらず、これらと容易に知り得る他の情報とを組み合わせることにより、特定の個人が識別される可能性がある場合に所定の情報に当たるところ、これらによって識別され得る個人について、同人の会議等への出席が私的な領域の範囲の行為であることの主張立証はないから、これらの団体名及び役職名が同号所定の情報に当たるとはいえない、とした。(行政事件裁判例集四八巻三号二一九頁)


  2 公文書非公開決定取消請求事件(平成七年一一月二七日、神戸地裁判決)は、兵庫県の条例八条一号(個人識別情報)該当性の判断に当たって、同号にいう「通常他人に知られたくないと認められるもの」とは、持定の個人の主観的判断のいかんを問わず、社会通念に照らして判断すると他人に知られたくないと思うことが通常であると認められる情報をいうものと解するのが相当であるとした。(行政事件裁判例集四六巻一〇・一一合併号一〇三三頁)


  3 都非公開処分取消請求事件(平成九年二月四日、東京地裁判決)は、都の執行機関が開催した都議会議員との会議の際の飲食費等の支出に関する、財務局主計部議案課の起案に係る起案文書及び所要経費見積書、債権者の請書、支出命令書、請求書、支払金口座振替依頼書並びに領収書に記載された会議の名称及び開催目的等、債権者名並びに開催場所につき、これらを開示することによって相手方が特定識別され得るとの事実について立証がなく、また、仮に相手方が特定識別され得るとしても、前記会議への出席が出席者個人のプライバシーを侵害するものと推認することもできないから、前記会議の名称等は、九条二号(個人情報適用除外)に定める非開示事由に該当しない、とした。さらに、都の超過勤務等命令簿に記載された職員氏名等につき、個人名を開示したとしても、これによって新たに判明する事実は、当該個人が所属する勤務部署において超過勤務命令権者の命令に従って既に開示されている超過勤務時間にわたって職務を遂行したという事実にとどまり、超過勤務の状況から特定個人の勤務態度又は個人に固有な事情が推認されるなどの特段の事情も認められないなどとして、前記職員氏名等は、九条二号に定める非開示事由に該当しないとした。(行政事件裁判例集四八巻一・二合併号三一頁)


  4 行政処分取消請求控訴事件(平成八年六月二五日、大阪高裁判決(差戻審))は、大阪府知事の交際費に係る領収書、歳出額現金出納簿及び支出証明書のうち、生花等は葬儀に際して大阪府知事の名を付して一般参列者の目に触れる場所に飾られるのが通例であるから、一般に公開されることが予定されているというべきであり、官庁関係連絡会など知事がその地位に基づいて会員となっている団体の会費に関するもの及び国会議員の後援会の会合等に出席した際に贈った祝金に関するものについては、知事がこれらの団体に関係し、又は、会合に出席することは秘密にされておらず、その交際が公開されていると認められ、報道出版関係各社の団体等への周年祝いの祝金に関するものについては、祝金が儀礼的なものであることに加え、当該団体の性質上、交際の相手方や支出金額を公開されても不満や不快の念を抱くおそれは認められず、公開しても知事の交際事務を適切に行うことに著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められないなどとして、前記各文書は、条例八条四号(機関内・機関間情報)、五号(狭義行政運営情報)所定の公開しないことができる公文書又は条例九条一号(個人識別情報)所定の公開してはならない公文書に当たらない、とした。(行政事件裁判例集四七巻六号四四九頁)


  5 静岡県知事交際費情報公開請求事件(平成七年一一月二四日、静岡地裁判決)は、県知事等の交際費に関して、交際の相手方が識別され得るものを非開示とした部分は適法とされ、贈答品等の購入先等である債権者名、債権者の取扱者である個人の氏名、捺印を非公開とした部分は違法、とした(判例地方自治一四九号九頁)

第三 非公開理由該当性の立証責任
 一 非公開理由該当性は、処分をなした実施機関が個別具体的に行われなければならない。

 二  実施機関の立証責任を明らかにした判例を以下に示す。
  1 大阪府知事交際費情報公開請求事件控訴審判決(平成二年一〇月三一日、大阪高裁判決)は、条例の趣旨、目的及び構成からすれば、実施機関である大阪府知事が同条例に基づく適式な公文書公開請求を拒絶できるのは、同条例第八条及び第九条の各号所定の非公開事由のある場合に限られ、しかも、この非公開事由があることは実施機関である大阪府知事において主張立証しなければならない、とした。(行政事件裁判例集四一巻一〇号一七六五頁)

  2 文書非公開決定処分取消請求事件(平成六年二月八日、最高裁判所第三小法廷判決)は、大阪府水道部が事業の施行のために行った懇談会等に係る支出伝票及びこれに添付された債権者の請求書と経費支出伺は、右懇談会等が事業の施行のために必要な事項についての関係者との内密の協議を目的として行われたものであり、かつ、右文書を公開することによってその相手方等が了知される可能性があることについて、その判断を可能とする程度に具体的な事実を主張、立証しない限り、八条四号(機関内・機関間情報)又は五号(狭義行政運営情報)により公開しないことができる文書に該当するとはいえない、とした。(最高裁判所民事判例集四八巻二号二五五頁)


  3 公文書非開示決定取消請求控訴事件(平成三年一月二一日、東京高裁判決)は、現金出納簿に記録された栃木県知事交際費の支出の月日、相手方の氏名、職名等及び支出金額の情報に関して、知事の交際事務に関する情報の公開は、経験則上、必ずしも相手方等の関係者に不快等の感情を生じさせ、右事務の実施の目的を失わせる結果を招くとは限らず、右結果を生ずることは、交際事務の案件のそれぞれについて個別的具体的に証拠によって証明されなければならないとした上、同条例に基づく公文書開示の実施機関である知事は右要件につき主張立証責任を負うにもかかわらず、右情報を公開することによって右結果を招くことの蓋然性について立証したとはいえないから、右情報が右要件に該当するとは認められない、とした。(行政事件裁判例集四二巻一号一一五頁)

第四 既に公開されている文書
  訴状第五の二、三の知事の見解に関して、東海環状自動車道・東回りルートに関する部分は、永久縦覧文書扱いとしてかねてより公開されている(甲第二号証)。第一二六回岐阜県都市計画地方審議会議事録として公開されている文書には、知事の見解が、担当課長の口述として記載されており、実質的に公開されている(甲第三号証)。
  訴状第五の四の環境影響評価に関して、評価の実質的部分は、都市計画決定権者の諮問文書及び付属文書(甲第四号証)に記載され、公開もされ、右審議会でも説明され、議事録として公開されている(甲第三号証・一六頁以降)。
 
  以 上

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 平成一〇年(行ウ)第八号 公文書公開拒否処分取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名

被  告  岐阜県知事 梶原拓
被  告  岐阜県教育委員会教育長 日比治男

準備書面(二)


                   原告選定当事者 寺 町 知 正   
                           別 処 雅 樹 
 一九九八年一一月二日
岐阜地方裁判所民事二部 御中

   頭書事件について、次のように述べる。

第一 一〇月三〇日付け被告準備書面にある原告準備書面(一)の第二の(二)の2の原告釈明に対する求釈明に関して、「同じもの」とは、説明などを記す「摘要欄」に関して、例えば
    ・甲第八号証の三の右側請求書、甲第九号証の一の右下領収書、甲第九号証の二の右上の領収書、甲第一六号証右下の領収書等の「但し書」の欄は黒塗りされている。一方
    ・甲第九号証の二の左上及び左中の領収書の但し書きの欄は、明示されているように、同じ摘要欄であっても文書によって明示されたり、黒塗りされていることの無法則性、無原則性を指摘する趣旨である。「同じもの」とは「同じように説明などを記す摘要欄」という事である。
 支払内容欄(甲第六号証〜甲第一八号証のそれぞれ左側の支出金調書の右中にある)についても、同様である。

第二 一〇月三〇日付け被告準備書面にある原告準備書面(一)の第八の(二)の2の求釈明に対して、例えば、本件公開請求にかかる支出と他の目的の支出が合算された数字は、公文書公開請求事項に密接に関係するものであり、極力、公開に努めることは実施機関の当然の責務である。
   それを「混同されるため」という理由だけで、黒塗りすることは許されない。
    求釈明の意味は、「混同されるおそれ」がある場合は非公開(部分公開)とすることができる、との条例の定めはないし、条例解釈運用基準にも明記されていないのであるから、合算部分等を公開したとき条例の規程上どのような違法が生ずるのか、を問うたものである。
    但し、原告としては、被告の「合算部分に対する主張」は既に答弁書において明らかにされているから、本項の求釈明は撤回する。

第三 被告準備書面のその余の点に関しては、被告の反論、立証は答弁書と同程度、同旨であるから、原告としては、これ以上の主張反論は不要と考える。
                 以 上

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  準備手続き期日  九九年三月二五日(木)二時〜
                                         
 平成一〇年(行ウ)第八号 公文書公開拒否処分取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名
被  告  岐阜県知事 梶原拓
被  告  岐阜県教育委員会教育長 日比治男

準備書面(三)


                   原告選定当事者 寺 町 知 正   
                           別 処 雅 樹 
      (連絡先) 岐阜県山県郡高富町西深瀬二〇八番地の一
         TEL・FAX 0581−22−4989
 一九九九年二月一七日
岐阜地方裁判所民事二部 御中

   頭書事件について、次のように述べる。

第一 二月二日付け被告準備書面のうち、一と二においては、本件情報誌の「発行事業者は比較的零細」「比較的限られた地域で事業活動をしている」ことなどから、紙名を公表すると事業者名が判明する、売上高なとが推測されるなどの理由が述べられているので反論する。
(一) 本件各誌紙は、岐阜県内を主としたものがあることは事実であるが、一方、例えば「やまと新聞」、「日本時事評論」(甲第一九号証)など全国的に発行、販売されているものもあることも事実であり、この中間の広域的なものもあるし、岐阜県内でもごく限られた地域だけで発行、販売されているものもある。これら誌紙には、活動地域にかかわらず、郵政省の第三種認定を受けているものもある。
    これらを一絡げにして「比較的零細」とか「比較的限られた地域」というこは、明らかに誤った主張である。
    本件で争われる公文書はそれぞれの支出を示す請求書合計約九〇〇件のケースが前提となっている。右述べたように、本件支出相手方の事業者は多様、多数であり、個々の事業者ごとの規模、販売形態、発行部数などの特徴を根拠として、個々の支出文書毎に非公開事由該当性を判断することが条例で求められている。

(二) 売上高が推測されるおそれがある、との主張であるが、仮に岐阜県本庁分の購読料支出の全額が明らかとなったとしても、行政庁としての岐阜県には各地に出先機関が多数あるし、他に中間機構もあり、また、他の行政庁や企業などでの売上もあるはずである。よって本件文書が公開されたからといって、当該事業者の売上総額が推測されことはあり得ない。また、仮に推測できたとしても、そのことが具体的に正当な利益の侵害になることは考えられない。
    さらに、訴状第四の二の5等で示したように、口座番号を紙面に記載したものもある。
    事業者毎の特徴を前提として、個々の支出文書毎に非公開事由該当性を判断するとが条例で求められている。

(三) 以上、事業者毎の個別の特徴を根拠として個々の支出文書毎に非公開事由該当性を判断すべきところ、本件はそのような個別具体的な判断をしないままに非公開決定した違法な処分である。

第二 二月二日付け被告準備書面の三において、「本件請求以外については公開する義務はない」と述べられているので反論する。
    原告準備書面(一)(二)で既に述べた通りであるが、非公開事由以外の理由をもって、たとえ公文書の一構成部分であっても黒塗りして非公開とすることは、許されない。
    本件条例の対象とする公文書というのは、普通の形態の文書であれば、原則として一枚、一葉をもって最低単位としていることは、通常に考えて当然である。この一枚一枚が公開されることになったとき、その一枚に記載されている全ての文字、図表、絵写真などに関して、非公開事由に該当する内容を有しない文字、図表、絵写真などは全て公開されるのは、条例上当然である。
    仮に、公開に当たって行政庁に不都合な内容が記載されていようと非公開事由に該当しない限を生じさせるような処分は、条例の原則公開の精神を意図的に否定するものであり、許されない。
以 上

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          次回期日  九九年五月一三日(木)四時〜
                                    
 平成一〇年(行ウ)第八号 公文書公開拒否処分取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名

被  告  岐阜県知事 梶原拓
被  告  岐阜県教育委員会教育長 日比治男

準備書面(四)


                   原告選定当事者 寺 町 知 正   
                           別 処 雅 樹 

      (連絡先) 岐阜県山県郡高富町西深瀬二〇八番地の一
         TEL・FAX 0581−22−4989
一九九九年五月一二日
岐阜地方裁判所 民事二部 御中

第一   
 一 公開、非公開が混在していることに関して、このことは例えば「領収書の但書欄」に目立つが、これは仮に「書かれている内容に応じて取扱いを変えている」としても、領収書の但し書き欄に条例上非公開とすべき情報が記載される可能性は、領収書というものの性質上、皆無であると考えられるので、本件処分が取り消されるべきであることに何ら変わりはない。


 二 誌紙名、摘要欄、欄外、日付などが、非公開であることについて「債権者に関する情報」として一括して明示されていることに関して、実施機関は文書の各部分について公開、非公開の判断をするためには、各部分部分の特定をしなければならず、一方、公開請求者も非公開という不利益処分を受けた場合、速やかかつ適切に異議申立等の手続きを行えるためには、どの部分がどういう理由で非公開となったが、示されている必要がある。よって、本件に即して言えば「債権者に関する情報」として一括して明示するような非公開部分の特定方法は許されないことである。

第二
 一 千葉地裁民事一部・平成九年(行ウ)第一六号公文書非公開決定処分取消請求事件(平成一一年三月三日判決)においてはタクシー会社の口座情報や印影に関して「悪用される危険性は公文書公開請求により公開されるか否かに関わらず、当初から存在している」として、事業活動情報には当たらないと判示している(甲第二一号証・新聞記事も参照)。


 二 東京高裁第三民事部・平成一〇年(行コ)第一五四号公文書開示拒否処分取消請求控訴事件(平成一一年四月二八日判決)では、「個人に関する情報とは、専ら私事に関するものに限定されるのであって、個人の行動であっても、それが公務としてされた場合はもちろんのこと、法人等社会活動を行っている団体において職務上の行為としてされた場合には、個人に関する情報には該当しない。・・たとえ行為者を識別可能とする事項であっても本号には該当しない」とした。
   そして同判決は、債権者の従業員の氏名、印影、サインについて、「債権者が県に対して提出した請求書等に記載されたものであるが、当該従業員の私事に関する行為ではないから、個人に関する情報とはいえない」とした。
   さらに、県職員の個人の口座番号も、公務に関連して記載されたものは個人に関する情報とはいえない、とした。
   このように、第一審原告敗訴部分を取り消した(甲第二二号証)。


 三 以上、民間の債権者の従業員の氏名、印影、サイン等や債権者の口座番号等は、私事に関する事でない限り個人に関する情報とはいえないのである。
         以 上

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          次回期日  九九年五月一三日(木)四時〜
                                    
 平成一〇年(行ウ)第八号 公文書公開拒否処分取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名

被  告  岐阜県知事 梶原拓
被  告  岐阜県教育委員会教育長 日比治男

上 申 書

                   原告選定当事者 寺 町 知 正   
                           別 処 雅 樹 

      (連絡先) 岐阜県山県郡高富町西深瀬二〇八番地の一
         TEL・FAX 0581−22−4989
一九九九年五月一二日
岐阜地方裁判所 民事二部 御中


  以下のようにお取り計らい頂けることを、表明し要望いたします。

一、本件における争点は既に明確になっており、原告としては、これ以上の公判の継続は必要ないと考えます。被告から事業活動情報に関して補充がある旨の陳述がありましたが、原告としては、
   この点についても、反論する必要性を見いだしません。

二、同時に進行している別訴の住民訴訟において、原告が誌紙名を特定しないままに主張整理せざるを得ないのか、誌紙名が明確に開示された状態で整理するのかは、その論点、主張の強さにも大きな影響を与えることは、自明です。

  三、右の理由から、早急に、次回期日、五月一三日にも弁論を終結して頂きたく要請いたします。

四、以上のために、先回期日で「理由付記について補充する」旨を表明しましたが、撤回致します。


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           次回期日  九九年一〇月一四日(木)四時三〇分〜
                                         
 平成一〇年(行ウ)第八号 公文書公開拒否処分取消請求事件

                   原  告  寺町知正  他九名

被  告  岐阜県知事 梶原拓
被  告  岐阜県教育委員会教育長 日比治男

準備書面(五)


                   原告選定当事者 寺 町 知 正   
                           別 処 雅 樹 

      (連絡先) 岐阜県山県郡高富町西深瀬二〇八番地の一
         TEL・FAX 0581−22−4989
一九九九年一〇月一四日

岐阜地方裁判所 民事二部 御中

 被告一〇月一三日付け準備書面に対して、次のように述べる。

第一   
一 条例第三条は公開に当たっての基本姿勢を示したもので、具体的な非公開部分の規定は第六条第一項各号によることは当然である。

二 本件処分は、一九九八年四月二〇日もしくは同五月一二日付でなされた。
  一方、岐阜県個人情報保護条例の制定は九八年七月一日であり、さらに同条例制定にともなう本件条例の改正(第六条第二項の追加)は九八年七月一日公布、九九年四月一日施行である。
  よって、本件訴訟における被告の個人情報保護条例云々は当を得ていない。

三 仮に個人情報保護条例を云々するとしても、一般に個人情報保護条例は「個人に関する情報の自己情報コントロール権」を規定したものであり、岐阜県のそれも同様である。そのような目的の個人情報保護条例と、公文書の原則公開を目的とした情報公開条例とは、制定趣旨が全く異なっているのである。実際に、条例第六条第二項は個人情報保護条例制定にともなう追加条項であるが、この追加の際に、第六条第一項各号の公開除外規定は何ら修正、変更されていない。以上、第六条第二項の規定は基本姿勢を示したものである。
  以 上


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