トップページに戻る
●カラ渡船の情報非公開処分取り消し訴訟
●今回の最高裁判決の要点 (原審とは名古屋高裁、第T審とは岐阜地裁のこと)
3 原審は,次のとおり判断した。
本件条例の下において,実施機関は,公開を請求された対象以外の情報又は公開を請求された対象とそれ以外のものの数額が合算された情報が記録された部分について公開義務を負うものではないから公開しないこととしたことに違法はない。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。
本件条例が,公開の請求の対象を「情報」ではなく「公文書」としていることは明らかである。したがって,公文書の公開を請求する者が,記録されている情報の面から公開を請求する公文書を特定した場合であっても,当該公文書のうちその情報が記録されている部分のみが公開の請求の対象となるものではなく,当該公文書全体がその対象となるものというべきである。公開の請求に係る公文書に請求の対象外となる情報等が記録されている部分があるとし,上記部分を公開しないことは許されないというべきである。
本件各処分のうち本件各非公開部分を公開しないこととした部分は,違法と断ずるほかはない。
5 以上によれば,上告人らの請求は理由があるから,第1審判決を取り消し,本件各処分のうち本件各非公開部分に関する部分を取り消すべきである。
住民側の上告を受けて最高裁が弁論開始の決定(3月8日)
→◆2005年6月14日10時半 逆転勝訴判決
2005年3月10日、最高裁から、上告をうけて弁論を開くとの通知があった。
≪訴訟の意義≫
岐阜県及び愛知県は、単独あるいは共同で県営(無料)渡船事業を行っています。しかし、この多く(岐阜市の「小紅の渡」を除く)は、殆ど利用のない実態です。それにもかかわらず周年全日執務した、として多額の委託料等が支出され続けて来ました(総額方式)。1999年度からは運行実績に応じて支払う契約に変わりました(実績方式)。
“カラ”業務というしかないにもかかわらず、常時勤務したとして虚偽の業務報告をなし、県もこれを黙認してきたと判断されます。業務報告が事実と異なるように故意、秘密裏に粉飾されていたわけですから、極めて悪質であり、同時にこれらを県民が知ることは困難で、正当な理由がありますので、1999年6月から過去4年分と1999年の予算分約2200万円について住民監査請求、住民訴訟としました。
“カラ”業務の核心の証拠というべき「業務報告書(船頭の勤務日誌)」のほか、県の支出関係の各種書類等の公開請求に対して、非公開(部分公開)とされたので、住民訴訟の提訴と同日に非公開処分取消訴訟を提訴したものです。
最高裁が、原告の上告を受けて弁論を開くということは、高裁判決が見直されることが確実といわれています。私たちに対する04年1月16日、同6月29日の最高裁判決に続いて、県の非公開体質が強く指摘されるものと予想します。
なお、この情報公開訴訟で多くの点で敗訴していた県も無論上告していますが、これは、3月8日付けで全て棄却されました。
《事件》 平成13年(行ツ)第280号 平成13年(行ヒ)第263号
県営渡船情報非公開処分取消請求上告事件 最高裁判所第三小法廷
上告人兼申立人 寺町知正 9外 被上告人兼相手方 岐阜県知事
提訴1999年8月25日→岐阜地裁判決 00年9月28日
双方控訴→名古屋高裁判決 01年9月28日
双方上告→ 弁論05年4月19日午後1時半
◆ 最高裁・第三小法廷・2005年3月8日弁論開始決定書 PDF版
◆訴訟の概略
◆上告理由書 テキスト版 上告理由書 PDF版
◆追加理由書 テキスト版 追加理由書 PDF版
◆追加理由書-2 テキスト版 追加理由書-2 PDF版
◆上告兼受理申立書 テキスト版 上告兼受理申立書 PDF版
高裁
2001年6月28日言渡の渡船情報公開・控訴審判決全文 控訴審判決全文 PDF版
地裁判決を変更!《船頭名は非公開でよい》 《事業者印影は公開を》
大部分は原告が勝っていて、訴訟費用負担は県が9、原告が1、と地裁と変わりません。しかし、県道と指定して、県費で委託料を出し、船頭はその県費を受け取って、県所有の船を動かしているわけで、これを私人の行為であるから氏名は非公開でよい、とした判決は到底承服できないので直ちに上告しました。
01年3月26日・大阪府知事交際費に関する最高裁判決の影響がまともに出た判示です。
◆05年3月9日・附帯控訴状 テキスト版 附帯控訴状 PDF版
地裁
◆地裁・準備書面 -1 .-2
◆地裁・準備書面−3 .-4
◆訴状 テキスト版(当時はB4版だったので、行変わりなど変則的かもしれない)